神明工務店有限
会社
神明工務店あなたの家のおかかえ大工を目指して

神明工務店

約8年の時を経て、建売住宅を木の温もりを感じられる暮らしへ

築約8年の建売住宅の改築工事です。家全体の保温性はあるのでしょうが、冬場に一階の部屋は足元から冷えてきて暖房もほとんど効かない、というお話から計画が始まりました。
家を購入した時は、ローンや予算の関係で、そんなに自由に全てを選べるわけではなかったとのことでしたが、時間が経って、家族構成も変わってきた中で改築されることを検討されたそうです。
また、時期的には、今から約7年後には屋根の葺き替えを検討しなければならない家のメンテナンス時期も考慮して、ライフプランとしても良い時期かもしれません。

天井・壁・床について

BEFORE

AFTER

断熱、自然素材、を柱に計画しました。室温25℃という中でもガラスと布では触った時の感じが違います。これは熱伝導の良いものほど冷たく感じるという事が原因です。合板で作られているフローリング材は圧縮して接着する為、材に含まれている断熱空気量が無垢材と比べると半分以下となります。床に無垢材を使う理由はそこにあります。足元が暖かいと体全体が快適に感じられます。
今回使った床材は能登のヒバ材ですが、このヒバは檜材よりもヒノキチオールという成分が多く含まれ、殺菌、吸湿効果が著しく、木材としての柔らかさも含め床材には適しています。キッチン作業などで立ちっぱなしでも、かかとが痛くなることが殆どありません。床に物を落として少し凹んでしまっても、ティッシュに水を含ませたものを数十分おいたままにしておくとほぼ元に戻ります。
わんちゃんや猫ちゃんなどのペットと一緒に暮らしていらっしゃる方は、彼らの体の為には、柔らかく滑りにくい無垢材をお勧めいたします。股関節の病気や腰のヘルニアなどを発症させない為にも、床材選びは大事です。

今回は、解体時、既存ユニットバス(UB)と間仕切り壁との間には断熱材が入っていませんでした。UB床下からの外気が、遮るものが無く室内に入ってきていた事も底冷えの一因だったと思われます。

天井は鉄素材の下地(通称 軽天)でしたが、木材に替え、わずかなふくらみを持たせて天井を張り替えました。鉄はまっすぐで水平ですが、木の性質を使い、わずかに天井中心の高さが上がる事で、圧迫感が軽減されるようにしました。

天井、壁は、脱臭調湿効果のある珪藻土を左官仕上げで使いました。珪藻土は傷や汚れがクロスにくらべて着きやすいのが難点ですが、何とも柔らかい仕上げとなります。壁面一部には厚み30㎜の杉材を張り、木が反らない様に通称「吸い付き」と呼ばれる工法での施工としました。対面キッチンは既存の物ですが、流しのリビング側腰壁を杉板で化粧しました。
間取り変更で抜いた柱の補強を兼ね、化粧梁にも杉材を使い、内装に木の温もりを出しました。

柔らかな光がリビングに差し込みます

BEFORE

AFTER

間取りは家族構成も変わった事から、1階は一室にしました。柱、壁を外し、金属の筋交いと4Mの梁で補強をしました。断熱材を足りなかった箇所にも入れ、床下点検口は断熱性能の良いものへ変えました。玄関を入ると、流し台の内側が丸見えのレイアウトが嫌だというお話から、システムキッチンは既存を使い、設置の方向を変えました。洗面脱衣室が狭い事から、洗濯機をキッチンの背面に移動し家事スペースとしました。洗濯機は大きいので、脱衣室がかなり広くなりました。

冬場になると階段から降りてくる冷気がそのままリビングに来ていたので、対策として階段室入口に引き戸を設置しました。ここでは、玄関へのドアと引き戸が並んでしまうので、アンティークのステンドグラスをはめ込んだ建具を製作しました。
階段室引き戸は二階から、玄関ドアは玄関室から、の柔らかな光がリビングに差し込みます。

玄関を開けた瞬間に、木の香りが広がります

BEFORE

AFTER

玄関には可動棚を設置し、床板の残りを使って扉も造り、建て込みました。木の床も建具もヒバなので、玄関を開けた瞬間に、木の香りが広がります。押入れだった場所は棚を造り、その周りをワーキングスペースとしました。

インテリアコーディネートについて

BEFORE

AFTER

インテリアのコーディネートは、内装が木である事、お施主様がお持ちの無垢材アンティーク家具に合わせる事、自然な雰囲気で全体を仕上げたいこと、ステンドグラスがインパクトがあるのでうるさくなる家具は置かない事、等を基本に選び、レイアウトしました。

私たちは「確かな技術を持つ大工の手作業」に誇りをもっています

今工務店に居てくれている大工さんたちは、代表の北島を含め、寺社仏閣を造り、メンテナンスしてきた人たちです。
若い時の失敗も沢山生きていて、今があります。全体を見て、木を見て、家を造ります。
確かな技術と多くの経験から、安心して住める家を造ります。

ページの先頭へ